2017年1月30日月曜日

映画『沈黙 - サイレンス - 』

先週、26日(木)に家内と岡谷スカラ座に行き、映画『沈黙 - サイレンス - 』を観てきました。
遠藤周作の1966年書き下ろしの小説『沈黙』をアメリカ人、マーティン・スコセッシ監督が映画化したものです。

2時間45分の長編映画が休憩なしで上映されました。テーマが重く、暗いものなので、途中でダレたりしないのかなと思いましたが、見始めると引き込まれ、長さを全然感じさせませんでした。それだけ脚本が良く、映画に力があったということでしょう。何年か経っても名作の一つとして残る映画だと思われます。

<映画『沈黙 - サイレンス - 』のチラシより>

小説を映画化する時には、当然、シナリオの作り方によって与える印象、訴え方は違ってきます。この映画のシナリオは良かったと思いますが、見終わって、原作の小説はどうだったのかな、もう一度読み直してみたいという気持ちが湧いてきました。私が小説『沈黙』を読んだのはもう40年以上前のことだからです。

<『沈黙 - サイレンス - 』予告編>

遠藤周作(1923~1996)がこの小説を書いた直後は、神が沈黙し、司祭が踏絵を踏み、棄教するという衝撃的なストーリーからカトリック教会の中の一部からは反論や反発の声が上がったことを覚えています。

これに対する遠藤周作の思いは、1974年の著書『切支丹の里』における、弱者たる棄教者に向けた自身の次のような言葉から読み取れますウィキペディアよる)
 こうして弱者たちは政治家からも歴史家からも黙殺された。沈黙の灰のなかに埋められた。だが弱者たちもまた我々と同じ人間なのだ。彼等がそれまで自分の理想としていたものを、この世でもっとも善く、美しいと思っていたものを裏切った時、泪を流さなかったとどうして言えよう。後悔と恥とで身を震わせなかったとどうして言えよう。その悲しみや苦しみにたいして小説家である私は無関心ではいられなかった。彼等が転んだあとも、ひたすら歪んだ指をあわせ、言葉にならぬ祈りを唱えたとすれば、私の頬にも泪が流れるのである。
私自身は遠藤周作の小説家としてのこの立場に共感を覚えます

ところで、小説『沈黙』は出版の3年後、1969年にウイリアム・ジョンストン師によって英訳されました。この英訳本『Silence』はすぐにヨーロッパを中心に海外で広く読まれ、反響を呼んだそうです。
『第三の男』を代表作に持つイギリスの小説家、グレアム・グリーンは、英訳された『沈黙』を読み、その年度のベスト3の一つに挙げています。グリーンは、『沈黙』をいち早く認め、遠藤に対して作品を絶賛する手紙を送るだけでなく、「20世紀のキリスト教文学で最も重要な作家である」とまで断言しているとの事です。
海外からの評価が高いことは、『沈黙』が2009年の英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき必読小説1000冊リスト」に選出され、海外の読書好きが投票形式で決定する「日本文学ランキング100」では37位(2016年4月現在)にランクインしている事でも明らかです。

<英訳本『Silence』表紙>

また、映画監督のマーティン・スコセッシは1988年に『沈黙』の英訳本を読み、大きな衝撃を受け、映画化を固く決意したそうです。それから28年を経て、昨年ようやく映画化、上映に漕ぎ付けました。

当然、翻訳本においては訳の出来不出来は大きく影響し、英訳者、ウイリアム・ジョンストン師の貢献は大きかったと私には思われます。しかしながら、ネット上で調べても、翻訳者については全くと言っていいほど触れられていません。
私はジョンストン師とはかつて若干の個人的交流があり、それなりの思い入れがありますので、ここにあえて彼を紹介しておきたいと思います。

ウイリアム・ジョンストン(William Johnston)師は1925年7月30日にアイルランドで生れ、1943年、18歳の時にイエズス会に入会し、1951年、26歳の時に来日しました。日本において司祭叙階し、以後長年にわたって上智大学で英語、英文学、神学の教鞭をとられました。
彼の第一の専攻はmystical theology(神秘神学)で、東西の宗教思想の研究を長く行ってきました。特に禅の研究には造詣が深く、自ら禅寺で座禅の修行をしたこともあります。彼には、「The Cloud of Unknowings」、「Christian Zen」、「Silent Music」などの多くの英文の著作があり、世界で広く読まれています。
カトリック作家の遠藤周作とは長く親交がありました。洗練された文章を書く文学者であり、日本文化に造形の深いジョンストン師は『沈黙』の英訳には最適任だったと私には思えます。
<ウイリアム・ジョンストン師と家内と私/彼の著作出版記念パーティーにて 2005年1月29日>

さて、人間としてのジョンストン師は感性がとても豊かで、人を暖かく包み込む包容力がありました。私にとっては忘れることのできない人物の一人です。

2017年1月25日水曜日

寒い朝

昨日の朝の最低気温はマイナス15度、今朝はマイナス16度と、このところ寒い日が続いています。
しかし、30年位前は一番寒い時にはマイナス20度位まで気温が下がりましたから、まだこれでも温暖化です。

 <散歩道と茶臼山 2017年1月25日10:02>

新年に入ってから何度か雪が降りましたから、一応冬らしい景色になりましたが、ここでは例年に比べたらまだ雪は少ないです。

 <散歩するランディ 2017年1月25日10:21>

空気は冷たいですが、今日は快晴で、風もなく、素晴らしい天気です。

<蓼科山を眺めるランディ 2017年1月25日10:30>

散歩していると、蓼科山も、八ヶ岳も、遠くに見える中央アルプス、北アルプスもとてもきれいです。

2017年1月17日火曜日

新年初の雪掻き

今日は新年初の雪搔き作業をしました。
今年の初雪は1月8日(日)~9日(月)で、この時は我が家では15cm位積もりました。
しかし、私は正月3日から風邪をひいてダウンして、おとなしくしていたので、この時は雪搔きをしませんでした。我が家のマイカーは車高の高いSUVなので、15cm程度の積雪ならば、そのままでも車の出し入れに特に支障はないのです。

 <雪の積もったアプローチでのランディのフリスビー遊び 1月17日09:20>

13日(金)から蓼科でもまた雪が降り始め、今朝、17日(月)には我が家の庭で35cm位の積雪になりました。これだけ積もると流石に雪搔きをしなければなりません。しつこくて、なかなか治らなかった今回の私の風邪もようやく快復し、元気が戻ってきたので、午前中に一気に雪掻き作業をしました。

<今年初の雪搔き作業 2017年1月17日09:48>

このところ気温が低い日が続いていて、昨夜、16日(日)はマイナス16度まで気温が下がりました。今日も一日中氷点下の真冬日です。気温が低いので、雪はフワフワの軽いパウダースノーです。
軽い雪の時にはキャスター付き雪掻き用ラッセルが役に立ちます(上の写真)。このラッセルで雪を押して、両脇に寄せておけばよいので、わりと簡単です。

<雪搔きが終わったアプローチ 2017年1月17日13:48>

アプローチの雪掻きが終わった(上の写真)後は、家の北側の通路の雪掻きもしました。

<雪掻きが終わった北側の通路 2017年1月17日13:46>

我が家では、毎日、近くの芹ケ沢温泉・温泉販売スタンドでお湯を買って、マイカーで運んで、自宅浴槽に注入して、自宅で温泉を楽しんでいます。
家の浴槽は北東の角にあり、浴槽の窓に車を横付けするために、北側通路の雪掻きも必要なのです。

<温泉を車のタンクから自宅浴槽に注入中 2017年1月17日16:43>

今日も夕方、温泉の入ったタンクから、電動ポンプで浴槽にお湯を注入しました。今夜も「自宅温泉」です。

<散歩道から見た蓼科山 2017年1月17日14:41>

さて、午後のランディとの散歩の時に見える蓼科山はようやく冬らしい、きれいな白さになりました(上の写真)。

2017年1月9日月曜日

新年初の降雪


去年暮からたいした雪が降らず、今年は雪の少ない正月でした。
しかし、昨日、8日(日)の昼頃から雪が降り始め、夜半過ぎまで降っていたようです。

 <アプローチの積雪 2017年1月9日09:04>

朝起きると、もう雪はあがって、晴れていました。我が家の周りでは15cm程度の積雪になっています。
雪が降るとランディもうれしそうです。

 <家の前の道路と蓼科山 2017年1月9日09:06>

家の前の真っ白になった道路からは蓼科山がきれいに見えます。

<ベランダのランディ 2017年1月9日11:44>

この程度の積雪であれば、特に雪掻きをしなくても車の出し入れはできそうです。
この雪で周辺のスキー場も一息つけるでしょう。


2017年1月1日日曜日

謹賀新年


明けましておめでとうございます

我が家は蓼科高原の標高1,631mの地にて夫婦二人と愛犬ランディの3人で新年を迎えました。
長男家族は転勤により現在海外で暮らしており、東京都内で暮らす次男家族の所には暮れに夫婦で遊びに行き、みんなでクリスマス会をしました。この正月は休みが短いため、次男家族は東京にいるとの事。そんなことで、この正月は我々は蓼科で静かに過ごしています。

<蓼科高原の下の里から見た八ヶ岳連峰 2017年元旦 11:23>

今日午前中に車で山を下り、里に行くと、八ヶ岳連峰は正月らしいきれいな姿でした。しかし、八ヶ岳の上の方しか白くなっておらず、この時期にしてはずいぶん雪が少ないです。

<ベランダのランディ 2017年元旦 13:13>

現在、我が家の庭にはうっすらと、3センチ程度の雪が残っています。冬休みで近所には小さな子供たちの姿も見られますが、これではソリをしたり、雪ダルマを作ったりという雪遊びも思うようにできません。雪搔きをしないで済むのは楽でいいですが、やはり、もう少し雪がないともの足りません。

<晩夏の畑と八ヶ岳連峰 2016年8月31日>

さて、今年も暖かくなったら私は畑で野菜作りをし、そして一年を通じてクラシックギターの練習に励むつもりです。

<私の愛用のクラシックギター

私の家内は趣味のガラス・フュージングの作品作りで、新作を作ったりして、精を出すことでしょう。夫婦マイペースで楽しんで行くつもりです。

<ガラスの飾り皿「雪の朝」・・・2016年家内作>

今年もよろしくお願いいたします。